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【取材レポ】Bookcafe days(ブックカフェデイズ)|絵本カフェ店主が紡ぐ物語 in 渋谷

bookcafedays_店主小島さん

「絵本は子どものもの」そう思い込んでいる、あなたへ。

ちょっと騒がしいイメージのある渋谷駅の西口から歩いて5分、住宅街にひっそりと佇む一軒のカフェが、その常識を心地よく裏切ります。

「絵本って、大人にこそ読んでほしいんです」

そう語る「Bookcafe days」の店主小島さんの言葉には、日々の忙しさの中で忘れがちな、心の奥底に眠る大切な何かをそっと呼び覚ますような温かさがありました。

bookcafedays_本棚

店内は訪れる人を迎え入れるかのように700冊を超える絵本たちが穏やかな存在感を放ち、空間を満たすような温かい調理の音に包まれています。

ある人は絵本の世界に没入し、またある人はコーヒーを片手に読書、心ゆくまで物思いにふける。そこには、誰にも邪魔されない「私」だけの、自由でかけがえのない時間が流れていました。

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東日本大震災が教えてくれた、「一番やりたいこと」

bookcafedays_真剣に話す小島さん

Bookcafe daysが渋谷に誕生したのは2012年。元図書館司書であり、児童書専門店や飲食店での経験も豊富ながら「いつか自分の店を」と漠然と抱いていた夢は、東日本大震災を機に実現へと加速しました。

「いつどうなるかなんて、誰にもわからない。だったら、一番やりたいことをやろう」

震災が教えてくれたのは、人生の有限性でした。採算よりも「自分の信念を形にしたい」という純粋な衝動から、絵本と食を軸に、自身の想いを具現化できる場所を創り上げることを決意したのです。

図書館司書として4,000冊の絵本に触れる中で、大人になってからこそ深く沁みる絵本の魅力に気づき、「大人にも開かれた絵本の世界を届けたい」という確かな想いが芽生え、この場所の物語が始まりました。

「ふらっと立ち寄れる日常に」─ 店名に込めた思いと空間の設計

bookcafedays_店内写真_テーブルとソファ

「日常の中で、ふらっと、肩の力を抜いて立ち寄れる、自然な場所になってほしい」

小島さんがこの場所に込めた想いは、その店名にも表れています。「“Bookcafe”は、誰もが直感的に絵本カフェと伝わるように」、そして「“days”は、日常、日々という意味」が込められてるそう。

渋谷の中心部から少し離れた落ち着いた住宅街。この立地も、店主のこだわりです。一人で運営できるぎりぎりの広さながら、席数と間隔も空けて「ゆったりと本が読める空間」を大切に設計されています。

bookcafedays_店内

都会の喧騒を忘れさせてくれる静かなこの空間には、変わらない安心感があります。その心地よさに惹かれ、何度も足を運ぶリピーターも。(実は、私もそのひとりです!)

ここには、表面的な装飾では決してつくれない「本物のあたたかさ」が満ちている、そう感じました。

すべてのものが「自身の表現」につながる、納得できるものを

bookcafedays_人気メニューシソオムライス

例えば提供する料理も、効率や利益よりも「納得」を優先したもの。

「料理もまた、自分の表現なんですよね」

そう語る店主の言葉通り、旬の素材を大切にし、できる限り無添加、すべて手作りというこだわりは、訪れる人の心と体に優しく響きます。

bookcafedays_パンケーキ

お客様が食事を通して、あるいは本を通して、自分と向き合える時間を提供すること。それが、Bookcafe daysが大切にしている「おもてなし」の形です。

読むたびに新しい発見がある絵本棚

bookcafedays_本棚

小島さんが好きな絵本に共通して言えるのは「読むたびに新しい発見がある、解釈の余白が大きい作品」だといいます。

言葉が少なく、絵で多くを語るような絵本。大人になってから読むと、子どもの頃とは全く違う感情や意味を受け取ることがあるそうです。

「絵本は短い文章の中に、驚くほど深い世界があるんです。人生のステージによって、響く言葉や絵が変わる。それが、絵本の本当の魅力だと思います。」

小島さんの選書の哲学も、この個人的な体験から強く影響を受けています。話題作や教育的な作品ではなく、感性に訴えかけるような一冊との出会いがきっとできます。

想いがめぐる場所—表現の受け皿としてのBookcafe days

bookcafedays_外観

Bookcafe daysは、店主・小島さん自身の表現の場であると同時に、誰かの創作活動をそっと支える場所でもあります。店内では、クラフト作品の展示や子どもの創作活動の支援、ボサノバなどの音楽イベントが定期的に行われており、それぞれが自然とつながり合っています。

小島さんの社会貢献を“エネルギーの循環”と捉えるところがとても印象的でした。

無理をして誰かのために尽くすのではなく、「誰かの想いが、この場所を通して、また別の誰かへと伝わっていく」。そんな優しい循環が、このカフェの空気をあたたかく包み込んでいます。

~絵本BOX編集部コメント~

bookcafedays_絵本BOXとの写真

今回、絵本BOXの取材に快く応じてくださった小島さん。その理由は「“自己表現”の助けになれたら」という、小島さんらしい温かい想いからでした。

空間を通して、表現する人を支え、私たち一人ひとりに寄り添ってくれるBookcafe days。何かに悩み立ち止まったとき、この場所はきっとあなたの隣で、静かに、そして力強く寄り添ってくれるはずです。

あなたの「物語」がまた動き出す場所へ足を運んでみませんか?

項目内容
店舗名Bookcafe days
住所東京都渋谷区鶯谷町15−10 ロイヤルパレス渋谷 1 F
電話03-3461-1554
営業時間11:00-19:00
定休日水曜日、年末年始ほか
アクセス渋谷駅より 徒歩6分
代官山駅より 徒歩10分
Instagrambookcafe_days_daikanyama
ホームページhttp://bookcafedays.com/ 
Bookcafe daysの店舗情報
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